lín zhǐ

1. 麒麟(きりん)の脚

   麟之趾，振振公子，于嗟麟兮＝麟の趾(あし)、振振たる公子、于嗟(ああ)、麟や

2. 〈略〉『詩経』の『麟之趾(りんしし)』の略
3. 漢の時代、麒麟(きりん)の脚を模した黄金の貨幣．

   〈同〉麟趾金

   〈関連〉马蹄金

4. 〈書〉優れた王子たちがたくさん出て、君主の一族が繁栄することをほめていうことば

   天佑宋室，螽斯麟趾之庆，当必有期＝天は宋の皇室を必ず守ってくれる。子孫繁栄の喜びは、必ずや訪れることであろう．

   族茂麟趾，宗固磐石＝一族は繁栄し、磐石のように堅固である

5. 〈書〉人徳や才知のある人のたとえ

   〈備考〉『詩経・麟之趾(りんしし)』から

6. 〈書〉絶筆．筆を絶つ．最後の作品．麟止(りんし)．

   〈同〉麟止

   〈類〉获麟

   〈備考〉元狩元年（前122年）、漢の武帝が雍(よう)の地へ行幸した際に白麟(はくりん)（白い麒麟）を捕獲して、金の麒麟の脚（麟趾）を作らせた故事に由来する語。司馬遷『史記』がこの出来事を記述の終着点とし、孔子『春秋』が「西狩獲麟」の句を以て筆を止めた故事と軌を一にしている。この故事を経て、「麟止」は著述を完結させること、あるいは筆を絶つことを象徴する比喩表現として定着した．